ご利用者様の尊厳を常に意識して
小野 大希さん(介護福祉士)
特別養護老人ホームでの仕事内容は、生活全般のお手伝いをしたり、
ご利用者様に1日1日を楽しく生活していただくためにレクリエーションを行ったりしています。
レクリエーションは、運動機能を高めるためのお散歩や園芸、それからボールを使って手や腕を動かしたり、カラオケなどをしたりしています。また、個人のご希望に合わせて塗り絵やオセロ、将棋など、その日フロアにいる方のやりたい事をそれぞれ聞いて提供していくので1日ごとに変化していきます。
私が勤務している施設ではタブレットを積極的に活用していて、「もぐらたたき」アプリで手を動かしたり、その他にも「脳トレ」など頭を使うものを楽しんでいただきます。
動画サイトで昔聴いていた曲などを流すことで、脳の活性化を促すこともできますし、ご利用者様が行ったことのある名所などを一緒に調べて視聴したりもしています。わたし自身が旅行が好きなので、ご利用者様の経験がとても参考になります。私の側から今どきの音楽など新しい情報をご提供することもあります。
この仕事を選んだきっかけは、両親に「向いてるんじゃない?」と言われたことです。
私のことを一番理解している両親は、私が人と関わること・支えることが好きなのを知っていたので、向いているとアドバイスしてくれたんです。
その薦めを受けて大学で介護の勉強をしていくと、さらに人を支えたり助けたりする仕事に就きたいという気持ちが育ち、迷いなくこの職に就きました。
実際に職場に入ってみると、20代、30代と自分と同世代の職員がたくさんいて、みんなで話し合ったり相談したりしやすい雰囲気でした。
ご利用者様1人1人に合わせた対応が必要な仕事ですので、先輩後輩の関係が良いのは大事だと感じています。定時の申し送りの時なども、和やかな中に真剣さがあり、コミュニケーションがスムーズに取れています。施設長が気さくなので、その雰囲気が広がっているのかもしれません。
また、レクリエーションで活用していたタブレットでは、ご利用者様の日々の情報を入力するなど、毎日の業務にも積極的に活用されています。
職員同士の情報共有の精度を上げ、作業効率はもちろん、職員ひとりひとりの負担軽減に役立っています。
ご利用者様に笑顔になっていただける面や、「一日楽しかったよ」って言っていただけるとき、
そういう時にやりがいを感じられます。ご利用者様の「ありがとう」という気持ちだけで満たされます。
大事なご利用者様と良い関係を継続していくために、言葉遣いを特に大事にしています。ひとつひとつ行動に移る度にお声がけをしてから移動することを大切にしています。
自分が担当している利用者さんとは一緒に色んな所に行く事も多いですし、「自分の孫のようだ」「ひ孫のようだ」などと言ってお菓子をいただけるなど、とても親しくかわいがってもらえます。私が小さい頃から祖母とよく接していたこともあり、自分の祖母のように感じることがたくさんあります。
大事しているのは、やはり最初はどなたも「他人」として始まるということです。いきなり自分の祖母のように接するのではなく、目上の方に対する尊厳を持つことを心がけます。
生活を共にしながら少しずつご利用者様との関係性を築いていくことで、やっと「自分の祖母のようだな」と思えるようになるので、接し方を間違えないようにしています。
嬉しいのは、親しく話せるようになるのはもちろんですが、ご利用者様から要件やご要望を何でも言ってもらえるようになったときに、本当の関係性を築けたなと感じ、やりがいに思います。
これからの目標としましては、ケアマネージャーの資格をとりまして、今まで介護福祉士で得てきた知識などを活かしたケアプランなどを、ご利用者様に提供出来たらいいなと思っています。