人生の大先輩を支えられる、特別な仕事
小林 琉香さん(介護福祉士)
特別養護老人ホームは、ご自宅での生活が困難な要介護状態の方が入居される施設。
入居者様の生活をサポートすることが私の仕事です。
食事や入浴、排泄などの身体介助が基本の業務です。日常の介助だけでなく、毎日のラジオ体操をはじめ、洗濯物を一緒に畳んだり、お皿を洗ってもらったり、レクリエーションを取り入れるなど、入居者様の残存機能の維持や認知症予防に努めています。
「できることはご自身で、難しい部分は職員が手助けする」という姿勢を大切にしています。
私の祖母も介護福祉士でした。幼少期にはよく祖母が働いているグループホームに足を運んでいたため、入居者の方々と触れ合う機会があり、自然と年配の方々の力になりたいという思いが育まれたのだと思います。
身近で働く祖母の存在と、「人助けができる仕事がしたい」という気持ちが、この職業を選んだ理由です。
入居者様や他の職員から「いつもありがとう」や「あなたが来るの待っていたわよ」 などと声をかけてもらえたとき、一番やりがいを感じます。また、常に考えながら行動することの大切さを日々感じています。
以前、イベント食(クリスマスやひな祭りなど、特別な食事メニュー)の日に、普段は完食される入居者様が食事をほとんど口にしないことがありました。なぜだろうと考え、普段と同じお皿に盛り付けで食事を提供すると見事完食!このように入居者様と常にコミュニケーションをとり、少しでも日々を安心して過ごしてもらえるように試行錯誤し続けることも大きなやりがいのひとつです。
実習のときには苦手だった移乗介助も、繰り返される日々の実践を通してうまくできるようになりました。その結果、実際に祖母に介護が必要となった際、話し相手になったり、外出の付き添いをしたりと、家族や周囲の負担や不安を軽減できました。
介護の仕事はプライベートでも本当に役に立つので、この仕事に就いて良かったと感じています。
私は介護福祉士として、まだまだ未熟です。例えば、認知症の方の対応は、声掛け一つで状況が大きく変わるため、対応が難しいです。帰宅願望が強い方や介助を嫌がる方への適切な声掛けや介助方法について、常に反省し、より良い方法を模索しています。まずは自分の未熟な部分をしっかり補い、スキルを高めていければと思います。
また、これまでは自分が教えられる立場でしたが、今後は後輩も入職してきます。自分が教える立場になったとききちんと指導できるよう、頼れる先輩になれるように努力していきたいです。
介護の仕事は、よく3K(きつい、汚い、危険)と言われています。物ではなく人を相手にする仕事であるため、本当に難しく、悩むこともたくさんあります。また、介護現場の人手不足は年々深刻化しています。
それでも私は、この仕事をとてもやりがいがあり、魅力的な職業だと思います。入居者様からの感謝の言葉や、そのご家族、一緒に働く職員のみんなの笑顔を見ると、この仕事をしていて良かったなと日々感じられます。人生の大先輩である高齢者を支えることができ、多くの喜びと感動を味わえるのは、介護職の特権です。
是非一緒に介護業界を盛り上げていきましょう!