温かい手と一緒にいたい
村野井 梢さん(介護福祉士・サービス提供責任者)
介護福祉士として重度要介護のご利用者サポートのほか、
サービス提供責任者としてヘルパーさんたちの実績管理や各方面への調整業務も行います。
ご利用者のお宅で生活をサポートしています。
私は重度要介護の方を担当することが多く、午前中はお掃除、午後はお風呂の介助や体拭きなどをしています。
また「サービス提供責任者」として、ヘルパーさんたちの実績を管理したり、ご利用者へのサービス計画を立てたり、ケアマネージャーや他事業所と連絡を取ったりします。ご利用者一人一人が慣れ親しんだ在宅環境での生活を安心して継続していけるように考えながら、相談業務や計画書作り、スケジュールの調整などを行っています。
私にとって高齢の方は「安心できる存在」なんです。中学生まで一緒に寝るほどの「おばあちゃん子」でしたし、近所の高齢の方も学校から帰った私におやつをくれるなど面倒を見てくれていました。
そういう環境だったので、中学の職場体験では自然と特別養護老人ホームを選びました。一緒にレクレーションをしてみなさんが喜んでくれたことを今でも思い出します。そのときにある方がしわしわのあったかい手で私の手を包んで、ポンポンとしてくれたのがとても嬉しかったんです。
それで「高齢の方に関わる仕事って何だろう」と考えるきっかけになり、この仕事を選びました。
最初にお会いした頃よりもご利用者に笑顔が増えたり、環境が整ってきたりと、良い方向に変化が見られるととてもやりがいがあります。そのためには様々な場面で広い視点を持ち、知識や技術を身に付けることが必要になりますが、おかげで日々成長させていただけていると感じます。
お看取りへの配慮
また、最近はご自宅で最後を迎えるお看取りのケースも増えてきました。
ご利用者の体のケアはもちろんなのですが、ご家族に細やかな配慮が必要だと感じています。ご家族の体調を気遣ったりして、少しでも安心して悔いの無いよう過ごせるようにと思っています。
ある方がご自宅で最期を迎え、穏やかなお顔を拝見したときご家族に「みなさんに来てもらっていて良かった」「自宅で看取って良かった」と言っていただき、感無量の思いでした。
子育て世代から知識が豊富な先輩方まで年代が幅広く、全体的に和やかな雰囲気です。事務所に立ち寄った際に、自然と相談や報告ができてきます。
また、3年前にICT化されたことで仕事の効率化に繋がり、残業がほとんど無いことが体力的にも精神的にも働きやすいと感じています。以前は毎回のサービス記録もご利用者についての申し送りも全て紙でやっていました。
今はスマートフォンのアプリで記録を入力できますし、サービス提供責任者としてもいちいち紙をめくって印鑑を捺す必要が無くなりました。申し送りもスムーズになり、情報漏れも少なくなりました。おかげで月末の締め業務の大変さが減り、残業もほぼ無く、定時に帰ることができています。
今後、出産や育児のために介護の現場から離れることもあるかもしれませんが、できるだけ長く現役で介護の仕事をして、高齢の方と関わり続けたいと思っています。
介護って、人と人を繋ぐ仕事だと思います。パソコンに向かう時間よりも、人との関わりがとても多いので、自分自身をすごく成長させてくれますし、人の温かみをとても感じる仕事です。
なので是非、職場体験でもボランティアでも構いませんので、介護の仕事の魅力に触れる一歩を踏み出してもらえたら嬉しいなと思います。